恋愛セックス
相談室
サブとユミの恋愛セックス相談室
窓の月
性暴力によるトラウマからの解放
愛し合う喜び
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「窓の月」 相談事例
この物語は性的暴力により、男性恐怖症となってしまった女性が、その障害を1人の男性との出会いの中で乗り越えていった記録です
目次
プロローグ
第1章 偶然の出会い
第2章 ユミのSEXへの恐怖
第3章 SEXカウンセリング
第4章 愛撫 こころの交わり
第5章 越えられない壁
第6章 同棲 解き放たれるこころと体
第7章 愛を受け止めて 一つなる喜び
プロローグ
ユミは京都に向かう新幹線のなかで、窓の外に流れる景色を見つめながら「彼」に出会ってからの5ヶ月を思い返していた。
「サブさんは自分にとってどのような存在なのだろう。 SEXカンンセラー・・・兄・・・父親・・・恋人・・・」
どれにも当てはまりそうな気がした。 しかしそれらの言葉ではいい尽くくせないものが残り、ユミにはどれを選ぶことも出来なかった。
ただ、そんな思いを抱きながらもこれから彼と過ごす京都で3日間を思うと、こころは高鳴った。
出張に旅立つサブを見送ったのは10日前だったが、そのわずかな期間が半年、1年にも感じられる自分の心にユミは恥じらいとともによろこびが入り混じっているのに気づいていた。
サブのメモに従い、渡月橋の近くにあるホテルに到着したのが午後3時だった。5時に仕事を終え、7時にホテルに到着予定のサブであったが8時を過ぎても来ない。
9時が過ぎたところで、ユミはシャワーを浴び、バスローブに包まってベッドに横になり、ふてくされていた。
午後10時を少し過ぎたところでようやくサブが到着した。
「ユミ・・ごめんな、会議長引いちゃって・・・ お腹すいたよな、このクッキーでも食べてて・・・シャワー浴びてくるから・・・」
すでにホテルのバスローブに着替えて、シーツに包まっているユミを抱きしめたい思いを抑えながらサブはバスルームへ向かった。。
ようやくこころを開いたユミが、再びこころを閉ざしてしまわないかが心配だった。 シャワーを終え部屋へ戻ると、ユミは先ほどと同じ姿勢でシーツに包まりながらクッキーを食べていた。
下半身にタオルを巻いた姿で、ユミの背後からシーツの中に潜り込む・・・寄り添うように横になり、ソッとユミの髪をなでる。
「お腹すいただろ? サンドイッチをとろうか・・・」
ユミは髪を撫でられながらもサブには答えなかった。 ルームサービスでサンドイッチ、スープ、フルーツ、ワインを頼み、再びユミの背中に寄り添うようにシーツに入った。
背後からユミを軽く抱きしめ、バスローブのうえから静かにユミの乳房を包み込むような形で抱きしめる
黙ったまま・・5分・・・10分・・・お互いの体温が伝わってくるのが感じられる。
今日はこのまま寝たほうがいいかな・・・・・サブはそんな思いを巡らしながら愛撫の手をゆっくりと動かすした時、
「わたし、だいじょうぶかな・・・ ・・・・越えられるかな・・・・・・・・」 ユミが小さくつぶやいた。
「だいじょうぶだよ・・・あわてなければ・・・怖がることは何もないよ」
そう答えるサブに体をよじりながら、ユミは抱きついてきた。 バスローブがはだけ、乳房をおしつけながら唇を重ねてくる。 サブはユミの唇、あご、耳・・・背中をキスと指で慈しみながらなぞり、腰のくびれを手の背で確認していった。
「きっと乗り越えられる・・・大丈夫だよ」 腰に手を回し強く抱きしめて唇を重ねたところで、ルームサービスのチャイムがなった。
入口に向かうサブの目に暗い夜空に浮かぶ白い月が見えた。
セクシャル情報マガジンプレゼント!
第1章 偶然の出会い
サンドイッチをほおばるサチを眺めながら、サブはの彼女との出会いを思い出していた。
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渋谷道玄坂の居酒屋。3ヶ月前の5月のある日。深夜1時を過ぎ、終電はすでに終わってしまっていた。
サブは取引先との打ち合わせを居酒屋で終え、中目黒の仕事場兼宿舎のマンションに帰るため、109の前でタクシーを拾おうとしていた。
「いいじゃないか よお! カッコつけなくても。 みんなそれぞれシケこんだんだよ〜 俺たちもいこうぜ!」
酔っ払った若い男の声が背後で響いた。
「お願い、助けて・・・」 ひとりの女がそんな一言をサブに投げかけて、背中に回りこんだ。 振り向いたサブの目の前に、酒臭い男の顔が飛び込んできた。 自然に体を開いて男の腕を払い、肩口を突き放した。男はあっけなく歩道に転がった。
厄介なことに巻き込まれそうだ・・・とうんざりした気分になっているところに、タクシーが滑り込んできた。とっさに、女を奥に押し込み、タクシーに乗り込み、「中目黒。。。」と行き先を告げ、ほっと一息入れた。
「お客さん、厄介にならなくて良かったね」 交差点の向こうで信号待ちをしていた運転手は事態を見ていたらしい。
「ほんとうだよ、年甲斐もなく大太刀周りするとことだったよ」 と応じながら、隣の女を見た。 顔を伏せうずくまったままで応答がない。
「もう大丈夫だよ・・・どこで降ろせばいいのかな?」 よく見ると小刻みに体を震わせている。 少し体を揺すってみるが満足な応答をしてはこない。 さて、どうしたものか・・・と思案をするまもなくタクシーは自宅マンションの前まで着いてしまった。
「ねえ、運転手さん、この子どこかの交番にでも連れて行ったやってもらえない??」
「なにいってんですか、人助けは最後までやんなくちゃ、お客さん、そんな若い子助けるのって男冥利でしょ」などど取り合ってくれない。
近所の住人に見られたら、どんな噂を立てられるか知れたものではない。 ともかく、意識朦朧の女をかかえ、自室に運び込みソファーに横たえた。
サブは自分の上着を脱ぎ、顔を洗って部屋に戻った。そこで、はじめて女の横たわる姿をまじまじと見つめた。
小柄だが、ビジネススーツのスカートからはしなやかな形のいい脚が伸びている。
女がかすかな声をあげて、寝返りを打とうとした。 欲望が突き上げてくるのを抑えられなかった。
女の上着を剥いだ、スカート脱がせた。ブラウスの前をはだけ、ブラジャーをずらして、手のひらで乳房を揉んだ。
しかし、何故かサブの男は突如萎えた。 掌に伝わる乳房の感触がひどく青いものだったからかもしれない。
その夜、サブは女をソファに寝かせたまま、期限の迫っている企画書を仕上げ、明け方6時過ぎにベッドに入った。 彼が眠りにつくまで、女は時折寝返りを打ったが目覚めることはなかった。 途中、毛布をかけてやった。
22〜23才だろうか・・・ショートカットの華奢な娘だった。
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昼前に目が醒めると、ソファには誰もいなかった。 ただ、テーブルにメモが残されていた。 連絡先などは何もなくサブの心には少しの落胆が残った。
「ご迷惑をおかけしました。ありがとうございました」 大澤由美子
「ちょっともったいないことをしたかな・・・」と、淡い悔いが手のひらに残る由美子の乳房の感覚とともに湧き上がった。
単身赴任の男に「天使のいたずら」かな・・・そんな思いがよぎった。
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第2章 ユミのSEXへの恐怖
「突然すみません、先日ご迷惑をかけた大澤です」
あの日から1週間後の夜、仕事場にかかった電話の相手があの娘からだとわかるのに、少し時間がかかった。
「思い出していただけましたか? 申し訳ありませんでした。お礼も言わずに帰ってしまいましたし・・・・改めてお礼がしたいと思ってお電話しました。ご迷惑でしょうか?」
電話の声からは聡明さが伝わり、あの日の酔いつぶれた娘の姿とはなかなか重ならなかった。しかし、若い娘からの申し出をあえて断る理由があるはずもなく、少し華やいだ気分で応諾した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2日後、金曜日夜7時、大澤由美子が指定した西新宿の高層ビルにある和食レストラン。
自己紹介をし、先日の醜態を詫び、日常生活を屈託なく楽しく語ってくれた。 サブも打ち解けた気分で、仕事や年配者らしい「酒の飲み方」などを語った。 自分の娘より8才年上の若い女性とのひと時は華やぐものであった。
9時少し前、由美子は「お礼ですから・・」と支払いを強引に済ませて店を出た後、やや緊張した面持ちでサブの前に立った。
「あの・・・もう少しお話させていただけませんか・・・ご相談したいことがあります」 先ほどまでの打ち解けた雰囲気とは、一変して緊張で唇が震えているのがわかった。
サブは由美子を行きつけのバーに誘うことにした。
「おや、サブさん隅に置けないね、こんな美人といっしょなんて・・」
なじみのマスターは気軽に声をかけてきたが、由美子の固い表情にそれ以上言葉はかけてこない。
「いいですよ、由美子さん、どんなお話でしょう」 向かい合わせの固めのソファに腰かけ、水割りを片手に声をかけた。由美子はうつむいたまま思いつめた表情を崩さず黙りこくった。
やがて、意を決したように半分ほども残っていたカクテルを一気に飲み干した。
「私にSEXを教えてもらえませんか?」
由美子の目線は強かった。サブの目から視線をずらさず見つめてくる。 まったく予想だにしなかった申し出に正直、動揺が隠せなかった。 かろうじて冷静を装いながら言葉を返した。
「わたしに理解できるように話してくれませんか・・・」
由美子の話が始まった。
サブは冷静さを装っているものの、酒のピッチが異様に早くなっていることで普段の自分でないことを自覚していた。
彼女の両親は4才の時離婚。夫の暴力が原因と聞かされた。 服飾デザイナーの母に彼女と弟は育てられた。
彼女が15才の時、母は洋装店を開き、そのスポンサーとなった男性と再婚した。 母は38才、男は42才だった。義父は会社を2つ経営する実業家だったが、最初の妻は亡くしており2度目の結婚だった。
16才の時、母が弟と出かけて留守に、彼女の部屋に義父が押し入り強姦された。 それは1度で終わらず、その後も2度、3度と犯されたこと。 3度目に母に目撃され、母はひどく彼女に暴力を振るたこと。
大学に進学し、逃げるようにして実家を離れたが、男性に対して恐怖心が取り除けなかった。 さらに追い討ちをかけるように、大学でテニス同好会の合宿でひそかに心惹かれていた男性が突如彼女に襲い掛かり、強引にSEXを強要されたこと。
以来、極度の男性恐怖に打ち勝てない。 頭では男性すべてそのように襲い掛かる存在ではなく、SEXもすばらしいものとの憧れがあるものの、いざ男性を前にすると逃げ出してしまう自分であるとのこと。 何度かそんな場面はあった。
由美子が一気にそこまで話し終えたとき、サブは重圧を吐き出すように、大きく息を吐いた。
「でも、どうしてあなたは私を選ぼうと思ったのかな??」
「あの日、貴女は私の上着を脱がせ、下着姿にしながら・・・私に手を触れなかった・・・」
いや、そうじゃない、実は・・・と話そうとした言葉を飲み込んだ。 あの夜の乳房の感覚が蘇った。
「すみません、あの日、朝早く目が醒めたんです。最初は自分がどこにいるかわかりませんでした。 眠っているあなたを見ながら徐々に前の夜のことを思い出しました。
いままでの男だったら確実に私は抱かれていた。でもここにいる人は私に手を触れなかった。 興味が沸いたんです。あなたに・・・・。」
「それで・・・すみません、あなたの手帳・・いえ、日記を読んでしまいました。」
不意に後ろから鉄槌を食らわされたような思いがした。 誰に見られることもない日記である、赤裸な・・単身赴任とはいうものの、実質別居状態の孤独な毎日が綴ってある。
仕事の悩み。健康状況。そして・・・女性関係。 見ず知らずの女に、誰にも教えたことのない自分の姿を知られてしまっている。
「う〜む・・・・・」思わず声が出てしまった。
彼女はサブをさらに赤面させる言葉を続けた、自らも頬を紅潮させながら。
「女性を愛撫しながらSEXされたされた時のことが書いてありました。 相手をどう思い、その反応をどう受け止めさらに進んでいったかと・・・いうような・・・」
彼は無造作に土足で心の中を踏み荒らされたような苛立ちを覚え、正面からキッと彼女を見据えた。
「ごめんなさい、自分のしたことがどんなに恥ずかしいことかはわかっているつもりです。 でも、はじめて少しわかったんです。 男の人もこんなふうに女性を思いながら抱いてくれることもあるんだって。 だったら、自分も男性の恐怖を越えられるかも知れないと思ったんです。 でも・・・・・・・・」
「でも・・・?」 言い淀んだ由美子の顔を見つめた。
「10日前、好意を持ってくれていることを感じていた会社の3年先輩の男性がデートに誘ってくれました。 楽しく過ごして・・・別れ際、彼に抱きしめられキスをされそうになりました・・・・
頭では受け入れて・・・と思っていたんです。 でも現実は、彼を突き飛ばして逃げてしまっていました」
由美子は涙を流し始めていた。
「悩んだんです・・・ そして、貴方なら・・・って思ったんです。 今までなんの面識もないし、年齢も離れているし・・・ それに・・・・(しばらく躊躇し・・・・)
女性の扱いもなれておられるみたいだし・・・・ すみません、失礼なことばかりいって・・・・・
でも、真剣なお願いなんです。 無理でしょうか???」
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ラブコスメティックって知ってる??
第3章 SEXカウンセリング
「私にSEXを教えてもらえませんか?」
由美子がそんな非常識な要望を彼にしてから3日後、「了解する」旨と
「6月○○日、土曜日午後1時、西新宿のホテルで昼食を」とのメールが三郎から届いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ホテルのレストランで昼食をとりながらサブは話した。
「貴女の申し出を受け入れました。 あまり善意からだとかいかぶって欲しくないので言っておきます。
了解した理由はオトコとして君を抱きたい!という欲望が大部分です。君は美人だし、魅力的だ。
しかし、君の力になりたい・・との思いもあります。
正直なところ、処女の相手は過去2人です。1人目は大学生の頃19才の恋人と、そして2人目は20年前年甲斐もなくつきあった女子大生。
2人目の彼女とは文化サークル活動で出会い、2年ほど続きました。
未経験状態から成熟した女性に成長していく様子を確かめるのは楽しいものでした。
この時の楽しさを貴女とも味わえると思っているのかもしれません。
これが正直な気持ちです。 それでもいいんですか?」
そして、付け加えて・・・
「仕事柄すこしはカウンセリングの技術もあります。 まあ、よく話を聞くこと! を心がけている程度ですが・・・
だから、今回は『実践を伴ったSEXカウンセリング』かな・・・と思っています。
関係を持てば、気持ちもつながるでしょうが極力、恋愛感情には発展しないように気をつける。 カウンセラーとクライアントとしての位置を守っていくようにする。 それは君も願っていることなんじゃないかな?
既婚者で年齢差がある、こんなことも君が私を選んだ理由じゃないかな??」
由美子は三郎の言葉を聞きながら、自分の要望がほとんど100%理解されていることを感じ、「ありがとうございます、そのとおりです。よろしくお願いします」 と頭を下げた。
「じゃあ、今日から始めましょうか? ホテルに部屋は取ってあります。」サブの申し出にユミは緊張した。
「はい・・・・」自分から申し出たことでもあり、断りきれなかった。」
西新宿の高層ビルにあるシティホテル1Fのレストランを出て、13Fにある部屋へ向かうエレベーターの中で、そっと肩を抱かれた。緊張で体が硬直するのをどうすることも出来なかった。
ドアが開き、ダブルベッドが目に入った。
男は部屋の奥まで進み、カーテンを開けた。窓の外には高層ビル街のいかにも都会の景色が広がっていた。
男は入口に立ちすくんでいるユミのところへ歩み寄ってきた。そして、ユミのハンドバックを受け取り、部屋のライティングデスクに置いた。 正面から包み込むように抱きしめられた。 ユミの体は硬直し、小刻みに震えが起こった。
「怖いんだね? 無理もないよ・・・ 貴女の今までの経験を考えると。 でも、だいじょうぶだよ。 無茶はしないから・・・。 今日はここまででもいいんだよ」
男は耳元で落着いた声で囁いた。鼓動が相手の耳に聞こえるのではないかと思うほどだった。
男は髪をやさしく撫でてくれた。背中に回された手が静かにユミの背中を愛撫し、やがて腰に回され少し強く引き寄せれられた。
「だめ、やっぱり怖い。やめて・・・」震える声が漏れる唇に軽く彼の唇が重ねられた。 自分の体がガタガタと震えるのがわかった。逃げ出したかった。男の手を振りほどいて逃げ出そうとする直前に、彼女を抱く彼の手が緩んだ。
「もう少し、お互いの話をしようか? お酒でも飲みながら・・・」 救われた気分だった。コクリとうなずくのが精一杯だった。
「でも、またここへ帰ってこようね。少しでも前へ進めるように・・・・」
二人は荷物を置いたまま、最上階にあるバーへ向かった。時刻は午後5時・・・まだ外は明るい日差しが差していた。
クラシカルな重厚な雰囲気のバーだった。 ユミの経験したことのない大人の空間だった。 まだ客は数えるほどしかいない。 窓辺に向かう二人掛けのソファに並んで腰をおろした。 太陽が高く西日として傾き始めから、薄暮の頃まで男は静かに自分を語った。
自分の仕事の様子。
子供の頃の遊び。 小学生時代の初恋。
そして、自分自身の先輩女子大生との初体験の話。
その時々、彼がどう考え、どう戸惑いどう臨んだか・・・・
その後の女性との係わり・・・。
ユミには新鮮な話だった。
今まで、男性は自分に挑んでくる恐怖の対象以外の何者でもなかった。 しかし、話を聞くうちに相手の男性も戸惑い、悩み、恐れすら持っている。 想像もしなかった男性のこころの世界だった。
夕日は沈み、窓外は美しい夜景に変わっていた。
「恋愛もSEXも二人で高めあっていくものなんだよ。貴女の場合は不孝なスタートだったけどね・・・」
「そうだ・・由美子さんだったよね? これから会っている時は”ユミ”って呼んでいいかな・・・ 私のことは三郎だから”サブ”・・・年が離れてるから”サブさん”と呼んでもらおうか・・・いいかな?」
ユミは緊張していない自分が不思議だった。 少し酔ってるのかな・・・カクテル3杯も飲んだし・・・などと考えながらコクリとうなずいた。 「はい、サブさん」
「さあ、ユミ、あとお酒を1杯ずつ飲んだら部屋へ帰ろう。少し強めのカクテルを飲んでごらん。緊張がほぐれるように・・・」
ユミには空色のカクテルが運ばれてきた。
「このカクテルは”スカイダイビング”って名前。ユミが勇気を持って過去の記憶から飛び降りられますように・・・・」
そういってグラスをカチンと合わせた。
夜景を見つめながら・・・・そっと、サブの手が肩に回された。
「まだ、怖い? これから部屋に戻るけど、たぶん最後まではできないかもしれないね。 今日は男性に対する恐怖心が薄れればいいと思うよ。」
ユミの手が彼の手で握られ、肩に回っていた手で腰を抱かれた。
動悸が早くなるのがわかったが、逃げ出したいほどの恐怖心は沸いてこなかった。
「ユミ、ほら・・」
声をかけられて振り向いたユミの唇に軽くサブの唇が瞬間的に重なった。
「怒ったかな??」いたずらっぽい笑顔が目の前にあった。
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第4章 愛撫 こころの交わり
「どうしてこんなに優しいんですか?」
ホテルの部屋の薄明かりの中で、窓辺に立つユミの両肩に手が置かれ、やがて静かに包み込むように抱きかかえられた。
耳元で囁かれた。「何故だろう・・・・ユミを好きになり始めてるかもしれないな・・・」
サブの手のひらが服地を通して乳房に感じていた。ほんとうにゆっくりゆっくり愛撫され続けた。
「キスしてもいい?」 これも優しい低い声だった。 ちいさく頷いた。
正面から髪を撫でられ、包み込むようように抱かれ、唇と唇が重なった。軽く1度・・・2度・・・3度・・・。
キスの位置が移った。
あご・・・
うなじ・・
耳たぶ・・
「かわいいよ、ユミ」
その声に誘われるように自分の唇からかすかに声が漏れた。
「あぁぁ・・」 再び唇がふさがれ、下唇がついばまれた。
背中に回ったサブの手でワンピースのファスナーが下ろされるのを感じた時、少し体が硬直し、自然に体が逃げようとした。 しかし、背中と腰に回された両手にしっかりと捕まえられているのがわかった。
「だいじょうぶだよ、力を抜いて・・・」
ユミはその言葉に応え、逃れるのを断念するかのように、息を吐き緊張感を解いた。
ワンピースが肩から脱がされてゆき、床にすべり落ちた。
下着姿のユミは誘われるままにゆっくりとベッドに身を横たえられた。
下着だけの姿をみられるのを恥ずかしかった。
横たわっている自分にシーツを掛けてくれた時は少しホッとした。
しかし次の瞬間,ユミの脳裏には過去のいまわしい出来事が明確によみがえり、再び震えが襲った。
男の裸の姿がそこにあった。 それは忌まわしい過去そのものだった。
襲い掛かるもの、心とからだを切り裂くもの・・・
そして、最後には痛みに耐えながら無気力に身を汚されるしか逃れる術のないもの。
ユミをベッドに横たえたサブは自分で服を脱いでいたのだった。 年齢の割には筋肉質の体ではあった。
でも、ユミには男の体の差異など判別する余裕などなかった。 男の裸・・・ユミにとってはそれは恐怖そのものだった。
ユミは悲鳴をあげてシーツに包まった。
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どのくらいの時がすぎたのだろうか・・・・白いシーツを体に巻きつけガタガタと震えていたのは・・・・
しかし、ユミの体に男の体は襲いかかってこなかった。
窓のカーテンの開く音がした。 そして穏やかな声が聞こえた。
「ユミ、見てごらん。 お月様がみえるよ・・・・」 静かな声だった。
窓辺に立ちながら男は話を始めた。
「月に兎が住んでる? って話聞いたことある?・・・
それはね、神様に呼ばれた兎が、自分には何も捧げるものがなくて、火に飛び込んで自分を供え物にしたんだって。
神様はそれを哀れんで、兎をみんなが仰ぐ月に住まわせるようになったってお・は・な・し・・・だよ
ユミには兎に見えるかい?」
シーツからそっと顔を覗かせ、窓の外を見つめた。 白い月がおぼろげに窓の外に浮かんで見えた。
「わたし、目悪いんです・・・ボーっとしか・・・」
その応えに男が声を立てて笑った。 そしてユミも笑った。 はじめて上半身裸の男の姿を見つめることができた。
「女性の中にはユミのように男性に恐怖心を持つ人がいるんだよ。 大丈夫な人もいるしね・・・・ そう、お父さんと小学校高学年くらいまでお風呂に入ってたなんで子は、たいてい大丈夫だね。」
「ユミの場合、弟はいるけれど、4才でお母さんは離婚してるから大人の男性にはあまり触れてこなかった。 そして突然思春期に裸の男におそわれちゃった・・・・怖がるのは無理ないよ・・・・」
「でも、ユミ・・・何時かはこえなくちゃね・・・その怖さを・・・・わかるかい? 」
サブの真剣さに引き込まれ、ユミはサブを見つめていた。 初めて男性の裸をみたような気がした。
何度が男に抱かれながら、その時自分は何を見つめていたのだろう。
筋肉のあるからだ・・・・これがオトコなんだ・・・この腕が私を抱きしめるんだ・・・・
そんな想像をした。 でも、今度は震えは来なかった。
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第5章 越えられない壁
金曜日夕方、ユミはオフィスを定時で退社し、帰り道で途中下車しデパートの下着売り場に向かった。
ユミは思い浮かべていた・・・・。1週間前のサブとの始めてのホテルでの出来事。
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サブは笑っていながら穏やかにユミに話しかけた。
「今日はユミの唇を奪っただけだ。 でも出会って3回目でこんな可愛いことキスできたんだから・・・たいしたもんだ♪」
「そして、ヌードでの相互観賞会でしょ・・・・」 屈託のない笑いだった。
結局その日、ユミは下着姿、サブはトランクスのみの格好で語り合い、お酒の飲み、ビデオで映画を見て・・・
別々に眠った。
ユミはダブルベッドで。 サブはソファで。
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下着売り場で、少し大人っぽいモカ色のレースの上下を買った。あの日の翌朝別れ際、やさしく抱かれながら囁かれた言葉を思いだしていた・・・
「次に会うときはユミの・・・下着をとっちゃう・・・・昨夜はなんとかがまんした・・・ほんとはたいへんなんだぞ・・・あそこでやめるなんて・・・・」
明日は夕方から2度目のサブとのお泊り・・・不安だった・・・でも、恐怖ではなかった。
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大きな浴室だった。 ユミは自分のこころを逃れることのないものにしようと、2度目の場所をインターネットで調べた青山にあるラブホテルに指定した。
浴室の鏡に写る自分の姿を見つめながら、ふぅ・・と大きく息を吐き、そしてシャワーを浴びはじめた。
バスタオルを体に巻き、シーツを被ってサブがシャワー室から出てくるのを待った。キングサイズのダブルベッドからバスルームは半透明のガラス越しに透けて見える。
「自分のシャワー姿も見られたんだろうな・・・」 花柄をあしらったガラス越しに男がシャワーを終えて洗面所に移るのがわかった。
動悸が激しくなり、顔が紅潮するのがわかった。 ユミは自分の覚悟を確認するかのようにきつく目を閉じ、シーツで顔を覆った。
シャワー室を出た男はバスタオルを体に巻き、冷蔵庫の飲み物を出した。ベッドのサイドライトを残して、いろいろな位置にあるルームライトの照度が落とされた。 シーツ越しに部屋全体が淡いブルーに染まったのがわかった。
「ユミ、入っても大丈夫かな?」 「はい」と小さくうなずきながら応えた。
同じシーツに包まってその息づかいがわかるほどの距離に男性がいる。「大丈夫、怖くない・・怖くなんかない・・・」ユミは何度も自分に言い聞かせた。しかし、意識とは無関係に体は硬直し、やはり小刻みの震えが生じている。
髪の毛がやさしく撫でられた。
「ユミ、過去のことは忘れようね。 いままで4度ユミは男性に抱かれているけど、自分の意思ではなかったよね。でも、今日ユミの意志でこうしている。今日が本当のユミの初体験の日だよ。つらかったことはもうなかったことにしよう。忘れるんだよ・・・」 薄闇の中でサブの瞳の光が見えた。
「無理は決してしない。今日最後まで出来なくてもいいんだよ。こうして同じベッドで抱き合うだけでも1歩前進なんだから・・・。」
横臥の姿勢でやさしく抱き寄せられた。はだけている腕に肩口から愛撫が始まり掌まで進み、掌が重なり合い5本の指が絡められた。
「大丈夫?」 サブの声にユミは手を強く握り返すことで返事をした。
うなじに唇を感じた。少しずつキスの位置が移動し鎖骨まで達すると、再び上に移動しあごの先。 そして、唇が重ねられた。
唇をついばまれた・・・下唇・・上唇・・・。
握り合っていた手が解かれ、腰を抱き寄せられ、脚が触れ合った。 しかし、ユミの両足は固く閉ざされたままだった。
「ユミ・・・バスタオルを取るよ・・・」 裸の胸と胸が合わさった。
無我夢中で男の体にしがみついた。 静かにゆっくりゆっくり抱きしめられていた。
髪の毛からうなじ・・・せなか・・・腰・・・やさしい愛撫が続いていた。ユミは何も考えられなかった。ただ身を任せて・・・・。
乳房を愛された・・・乳首が口に含まれ転がされると声が耐えていた声が漏れた。両脚が緩み、男の脚がからんできた。
仰向けにされ上半身が唇で愛され、乳房を軽く包み込むように愛撫された。
「ユミ・・・すてきだよ・・・かわいい」 耳元で囁かれた言葉に体が反応するようにくねった。
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しかし、男の手が下半身に及ぶと再び体に緊張が蘇った。
乳房を口で愛されながらも、男の手が膝頭から徐々に腿に上がってくると、あの義父との忌まわしい恐怖の感覚が鮮烈に脳裏に蘇った。
男の手がユミの秘所に触れた瞬間、ユミは悲鳴を上げ男を押しのけてバスルームに逃げ込み激しく嗚咽した。
ユミは悔しかった。頭では「受け入れよう・・・この人はやさしい人、今までの男とは違う」何度も自分に言い聞かせ納得していたはずだった。 でも、越えられなかった。
どれほど泣いていたのだろう・・・・。身になにもまとわず呆然と浴室の隅にうずくまるユミにバスローブがかけられた。
「ごめんよ、少し急ぎ過ぎたね。でもよくがんばったよ、何歩も前に進めたじゃない??ゆっくりシャワーで涙を流してから出ておいで・・・」
男の優しさが身と心に染みた。 ユミは男性の「やさしさ」を生まれて初めて、心から感じたのかもしれない。
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第6章 同棲 解きほぐされるこころ・・・体
サブのマンションで期間限定の"同棲生活"が始まった。
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ユミが越えられなかった夜、二人はベッドで抱き合いながらさまざまなことを話し合った。
「個人差はあるけれど、女性の初体験がすごい苦痛を伴うのは普通だよね、でも男の私がいうのはおかしいけど、越えられないものではないはずだよ」
「今、ユミの心の中では二つの意識が闘っているんだよ。SEXというか男性の肉体に対する恐怖と、抱かれたいという自然な欲求の二つの意識。」
「わかりきっていることだけど、抱かれてしまうこと、男性を受け入れてしまうことでしか解決はないんだね」
「体じゃない、ユミのこころの問題だってこと」
「多くの女性はどんなふうに越えてるんだろうね・・・? 初体験の恐怖を・・・どんな相手だったら大丈夫なんだろう?」
ユミの応え。
「好きな人に愛されたい。愛する人と一つになりたい・・・って気持ち・・・・」
そして、二人で出したこれからのこと。
ユミがサブをもっと好きになること。
そのためにサブをもっと知るためにたくさん会う機会をつくること。
「しばらく、一緒に住もうか? ユミが素敵なSEXができるようになるまで・・・そう・・・1ヶ月もかからないかな・・・」
単身赴任のサブには危険な行動であり、ユミのは未経験の世界だった。
「まあ、親子でもおかしくない年の差だし・・・ちょっとエッチな父親と冒険好きな娘の共同生活かな・・・?」
他人から見れば中の良い父娘の共同生活のようだった。
サブの勤務時間は不規則だったが、ユミは朝8時には中目黒のマンションを出た。通勤時間が往復2時間も短縮したことは生活にゆとりが生まれた。
そして、「帰宅すれば話し相手がいる・・・」ということがどれほどこころに安定感をもたらすかを理解した。
それはユミの生立ちから今日に至るまでの間、完全に不足しているものだった。
夜、共に時間を過ごせる時は、サブにその日の出来事を幼い子供が母親に話すようにこまごまと報告した。
休日には二人で買い物に行ったり、外食をした。
そして、二人は時間の許す限り肌を触れ合って過ごした。 手をつないで散歩し、肩を寄せてテレビを観、お出かけのキスをし・・・・・ベッドでは長い愛撫が続けられた。 そして、それは徐々に濃密なものになっていった。
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ある日の午後、職場の同僚から、
「ユミ、最近楽しそうね。特に今日はきれい・・・夕べ彼氏と何かしてたんでしょ・・」 といたずらっぽく声をかけられた。
「あ〜ぁ、ユミったら正直ね〜 どんなことしてるんだぁ、私に教えてよ?」
思わず昨夜を思い出して顔を赤らめたユミを、同期入社の同僚は肩をぶつけながらからかった。
共同生活がスタートして3週間、彼とのさまざまなふれあいを思い起こしたのだった。
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ずっと手を握り合いながら映画を見た。 映画館の暗闇の中で頭を彼の肩に預けながら・・・
レインボーブリッジの夜景の中、車の中でのキス。
「少し口をあけてごらん」 彼の舌が歯茎をなぞり、舌と舌が触れ合った。
灯りを落としてもらった浴室で、はじめてお風呂に一緒に入った。後ろから抱きかかえられながら、ゆっくりと全身を洗ってもらった。 石鹸のついた両手で、乳房を丹念に洗われるうちに、下半身が濡れてくるのが恥ずかしく幸せだった。 男性自身をお尻に感じたときは、まだ体が少し硬直した。
「まだ、怖くなるかもしれないけど少し頑張ってみようね・・・」 ディープキスのあと、彼の手はユミの下半身に伸び・・・膝から愛撫がはじまり、もも・・内腿へと進んだ。 固く閉ざした両足は、乳房への口による愛撫のうちに緩んだ。クリトリスに進んだ指が、やさしく丁寧に円を描く行為にも、彼の首にしがみつきながらあえぎながら応えた。
そして、昨夜・・・
彼の中指がユミの中に入れられた。 舌を絡めながら・・どのくらいだろうか・・5分・・10分・・ 彼は指を動かさなかった。 うずきのような感覚に身をよじるように体をくねらすと、ようやく「入ってるのがわかるね?」と囁かれた。
うなずくと、ゆっくりと指が動き始め、やがてユミの体があえぎ声と共にくねり続けた。
「サブさん、今日・・・して・・・」
しかし、ユミのお願いは拒否された。
「今日はまだ、だめ。 ユミの大切な記念日なんだからちゃんとお祝いの準備をしてね・・・。
それから・・・その日は、ユミのここを・・・サブが口で愛するよ。ユミがそれも大丈夫だと決意できたら、その日を決めようね。
今日はこれを確認してごらん・・」
ユミは導かれるままに、サブの男性自身を握りしめた。それは想像を越えて大きく感じられた。
早く複雑になるサブの指の動きうちに、両脚がつったように震え頭の中が白くなり記憶がなくなった。
気がついたとき、サブにやさしく抱かれていた。
サブの寝息にいとおしさがこみ上げ、そっと小さくなった彼の分身に触ってみた。 さきほどの猛々しさとはくらべものにならない可愛さだった。
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その日、帰宅してきたサブにユミは申し込んだ。
「今度の土曜日、お願いできますか?」
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第7章 愛を受け入れて ひとつになる喜び
サブはユミの申し出の日を1週間先に延ばし、予定されている京都への出張の終了日に彼女を京都に呼ぶことにした。彼女の大きな決意を美しい思い出の日にしてあげたいと思った。
一方にはためらいが生じ始めていた。
サブはユミの体を愛でながら、日増しに彼女へのいとおしさが増していくのに戸惑っていた、 父娘でもおかしくない年齢差でありながら、少しずつ心と体をゆだねてくるユミの若いからだと恥じらいに虜になっていくのがわかる。 年齢の壁を忘れユミに傾斜していく自分と、今は無我夢中で自分にすがってくるユミの関係は何時までも続くものではないだろう。
この旅行を彼女の新しいスタートとすると共に、二人の終わりを予告するものにするのがいいのではないだろうか・・?それは、サブが心に秘めたつらい終着点でもあった。
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二人でサンドイッチを食べながら、明日の京都の歩き方を相談を始めた。
おおむねの計画が出来たところで、二人は着替え夜の渡月橋に向かった。 月明かりのなか、橋の上に二人で並びから上流の小倉山などを眺めながらサブはユミの肩にまわした手に力を込めた。
「明日の夜ね!」
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夜が明け、トロッコ列車で亀岡に向かい、そこから保津川下りの船に乗り込んだ。10人ほどの乗船者に混じりながらも人の目を気にすることなく、激流の揺れに合わせて彼に抱きついていた。 美しい水と山々に組み込まれながら過ごす時間が余りにも早く過ぎるのが惜しかった。 夕刻、仁和寺の庭園を最後に宿に戻った。
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部屋には3箇所にバラの花束の花瓶が飾られ、テーブルにシャンパンとケーキが置かれていた。
「全部で240本、ユミの年齢の10倍、「10」って数には全てを元に戻すって意味があるらしいんだ。 今日から由美子の新しい人生がはじまる記念にと思ってね。 さあ、ケーキカットしようか・・・」
ユミは目頭が熱くなり、サブに抱きついた。 キスを受けながらサブにつぶやいた。
「ケーキの前に抱いて・・・サブさんを受け入れられたら・・・お祝いして」
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ゆっくりとこの3週間を総復習をするようにサブは進めていった。
ディープキスがすすみ、背中、乳房、腿などへの愛撫によって、ユミの両脚が緩み、サブの脚を自然に受け入れた。
腰をユミの両腿の間に置いて仰向けのユミに覆いかぶさりながら、再びくちびるへのキスから始めた。
「さあ、始めるよ ユミ」 目と目が合った。
ゆっくりと・・・おだやかな痛みの中でユミは女になった。
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明け方どちらからともなく再び求め合った。
キスと愛撫の前戯のなかでサブは尋ねた。
「昨日はすごく痛かったかな?」
「うん、痛かったよ〜 でも・・・サブさんとひとつになれてるって気持ちのほうが大きかったから大丈夫だった」
「少しずつ痛みは少なくなっていくだろうから・・・もう少しの間は我慢するんだよ」
本当は「自分の役目はここで終わり。 あまり僕になれ過ぎないように今日で終わりにしよう。 もうユミはSEXへの恐怖はなくなったはず。 これから先はすてきな恋愛をして・・・・」 そんな内容を話さねばと思った。
しかし、思いとは裏腹に、サブはユミに体を重ねていく自分をとどめることができなかった。
「まだ、痛いよね。 早めに終わられるから・・・」 2度目に二人がつながりながらサブが囁いた時、ユミは首を横に振った。
「ううん・・・いや・・・
出来るだけ長く・・・・
入っていて・・・
痛くても・・・
うれしい・・・・」
あえぎながらユミはサブの愛に応えていた。
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帰りの新幹線の窓から富士山をみつめるユミにサブは話しかけた。
「ユミ、明日からは自分の部屋へ帰るんだよ。 これ以上ユミと暮らすと別れられなくなる・・・。もう、いい男がユミの前に現れてもしり込みしないだろ? あまり、私の愛し方に慣れすぎちゃだめだから・・・・・・」
「・・・だめなのかな・・・どうしても・・・・そんな男性が現れるまで・・・だめかな・・・・どうしても・・・・」
「ユミのなんでも相談に乗れる父親になれるよう努力するよ・・・」
横浜を過ぎ、東京はもうまじかに迫っていた。
窓の月 完
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